面白くて眠れなくなる元素という本を読んだ。
僕は根っからの文系で、化学系の学科に行ったにもかかわらず化学の知識がほとんどない。
この本には、普段あまり化学を意識しない人にも使えそうなことが書かれていた。
確かに途中で睡眠時間を奪われて、ここ2~3日若干の昼夜逆転をしている。そのくらいのめり込んでしまった。
本から実生活に密着した化学の知識をピックアップしてみたので、使えそうなところを見て欲しい。
ゲルマニウムは危険?
よく聞くゲルマニウム温浴と呼ばれる風呂。
僕も行くのだけど、実はゲルマニウム温浴に浸かると健康になるという科学的な根拠は無い。
都内にはこういったスタイルのお店がけっこうあったので風呂に入りに1500円とか払っていた。
正直こういう知識を知ってしまうとなんかなあと思って金返せ!って気持ちになる。
貧乏臭いけれど、一旦当事者になってしまうと実際そうなる。
温泉は好きだから、温泉自体に行くことがなくなるかといわれればそんなことは決してない。
ただ、鉱石がどうとかいうものはちょっとアテにならんなあという考えになってしまった。
同じような理由でラドン温泉もあまり推奨できない。
マイナスイオンはニセ科学
また、マイナスイオンも同様にエセっぽいもののようだ。
最近はもう名前すら聞かないけど、昔そういう機能のついた扇風機とか買っていた。
マイナスイオンとか、遠赤外線とか、なんとなくキャッチーな呼び方をされるとついつい「ちょっと買ってみるか」なんてなるのが消費者のダメなところだ。
このあたりは常に注意を払っていないと騙されてしまう。マイナスイオン物は特にクリーンなイメージがあったので、押し負けてしまう。
アルミのフライパンにはアルマイト加工をすべし
アウトドアシーンでよく見るのがアルミのフライパン。
軽いので使いやすいんだけど、肉を焼いたりするとすぐに焦げ付くのがアルミの悪いところだったりする。
正直、肉を焼くのがめんどくさくなって、結局汁物を作ったりしてしまうのでフライパンの意味がない。
で、アルマイト加工をすると酸化皮膜が出来るので、焦げ付きにくくなる。
普通のアルミパンをアルマイト加工してくれる加工業者もあるけど、最初からアルマイト加工してあるアウトドア用のフライパンもあるので、皮膜が剥がれないように丁寧に扱えるならアリだと思う。
ちなみにアルミはナポレオンの時代には金よりも高価だった。
鉱石から単体で取り出すのが難しいことが理由で、サビにくく軽くて丈夫な性質なのであの時代でも活用方法は沢山あっただろう。
牛乳の中には銀貨をぶち込め
牛乳に銀貨を入れるとか、おいおいそりゃ不衛生だろうと思う人もいるだろう。
しかし、実際に銀貨で銀イオンの効果で雑菌の繁殖を防ぐことができる。もちろん合金ではなく、銀の割合が多いものに限るけど。
純銀は靴のニオイ消しにも最適で、よく10円玉(銅)を靴に入れたりするけど、あれと同じ要領だ。
純銀のコインは高く、比較的安く本物の銀貨を入手できる田中貴金属でも1枚1500円くらいはする。
ただ、1500円×2枚=3000円でスニーカーや革靴のニオイ消しを買うというリッチな選択はアリだと思う。
貴金属の輝きは日常を豊かにしてくれるからだ。
銀のくすみをとるには重曹
銀のアクセサリーを使っているとどうしても黒ずんでくる。
僕の愛用しているインディアンジュエリーもほとんど銀で出来てるんだけど、やっぱり時間がたつとくすんだ色になる。
最初は白っぽい光を放っているだけにちょっと残念な気持ちになる。
黒ずみ=アジだと考えればまあカッコいいけど、たまに磨いてあげると新品になったようで気持ちいい。
銀磨きなどもあるけど、重曹+アルミホイル+熱湯で酸化銀を銀に戻すことが出来るので、これは覚えておくと便利だなと思う。
重曹スプレーなんかはだいたいどこの家庭にもおいてあるし、なければ100均のダイソーでも売ってて便利なアイテムだ。
銀磨きなどわざわざ買わなくても、重曹とアルミホイルだけあればいいと思う。
みかんの缶詰の内側はブリキなので、早めに移し替える
ブリキっていわれると昔のオモチャのイメージしかなくて、この辺の知識を持ってる人は案外少ない。
僕は冠婚葬祭なんかで飾っていたみかんの缶詰をもらってくることがよくあるんだけど、知らないと普通にそのまま冷蔵庫にいれちゃったりなんかするんで、こういったちょっとしたことを知ってると健康被害を避けやすくなる。
日常生活にも、身体に溜まりやすい金属を摂取する可能性がいくらでもあることがわかる。
こんなことを知っても僕はみかんの缶詰が大好きなので、今後は100均で買ったプラスチックのタッパーに移し替えて保存することにした。
日本に蓄積されている金は6800トン 16パーセント
これ、案外多いじゃんって思った。6800トンってすさまじい。
世界中の16%もの金を小さな島国で抑えてるんだから、もっと活用したほうがいい。
もっとも、金鉱と呼ばれている場所は日本には1箇所しかなくて、携帯電話やパソコンなどの「都市鉱脈」に眠っている。
このへんを更に詳しく知るならこの本がオススメ。
なぞの金属・レアメタル ~知らずに語れないハイテクを支える鉱物資源~ (知りたい!サイエンス)
金は見てよし、加工してよし、食べても害なしの金属なので、個人的には収集したいところだ。
なんといっても輝きが違う。なんだか、金を見てるとやる気が出てくる。
たいていの金で作られたアクセサリーは合金で、18Kとかはまあまあ硬い。ちなみにKはカラットで、金の含有量を表している。
24Kになると柔らかく、傷にはめっぽう弱いので、なるべく落としたりしないように気をつけたほうがいい。
最後に
元素を知ることで、毎日のことがいろいろと便利になる。
たとえば掃除とか面倒だなあと思ったら、化学的に解決する方法がいくらでもある。それも思ったよりも安価で。
製品としてリリースされていると確かにわかりやすいし、スプレータイプなんかで売られているので使い勝手もいいんだけど、大量に使ったりすると案外コストがかかる。
元素についての知識は少しでも覚えておいたほうが今後便利なので、ぜひこのあたりの知識は身に付けて欲しい。