先日、知り合いの漫画家さんからこんな質問がありました。
『LINEスタンプに登録したら、そのイラストの著作権はどうなるんですか?』
こんなことを聞かれたので気になって調べてみました。
LINEはスタンプの利用権を許諾する方式
LINEスタンプは『利用権を許諾する』という方式をとっています。
これはどういうことかというと、イラストを書いた著作者の本人が、LINE側にこのイラスト使っていいよーと許可をするということです。
これって普通のことのように思えるんですけど、いろんな方式があります。
例えば、音楽著作権協会のJASRACや、音楽出版社がとる方式があります。
JASRACや音楽出版社の場合、作曲者本人でも、その曲を使うごとにJASRACにお金を支払うというような縛りが存在することが多いです。
これは「本人に代わって、その曲がどこかで使われてる場合でも我々が徴収しますよ」という契約になっています。
つまり、本人であってもLIVEで演奏したり、BGMで流してもJASRACに使用料を収めなくてはいけません。
LINEスタンプにはこういった契約や縛りはありません。
LINEスタンプの登録後も、著作権は作者にあり、LINEにはイラストの利用権を与えているにすぎません。
著作権がLINEではなく作者にあるのでイラストの流用が可能
で、ポイントとしては、もし同じイラストを書いた場合に、他にもそのイラストを使うことができるというところです。
何十種類も頑張ってイラストを書いたのに、そのイラストがLINEにしか使えないとなったらもったいないですよね。
例えば、自分のHPやブログやPixivにアップロードしたいなんて人が多いのではないかと思います。
この場合、著作権は自分にあるので、いちいちLINE側に許可を得なくても大丈夫です。
LINEスタンプを作るついでに、いろいろ使えるように作ってみる
とか、
イラストのパターンの種類が多いんだけど何かに使えないか?
とかいうときは、ためらわずにLINE Creators Marketに登録しちゃって大丈夫です。
新サービスを使う時は、著作権と管理権がどこにあるのか調べてからにしよう
先程の音楽著作権協会JASRACのように、著作物の管理をしている団体がめちゃくちゃ強いというパターンがあります。
そういった場合、こちらが作ったものを自由に使えなくなってしまいますよね。
また、作者が団体などに利用権を与えるのではなく『買い取り』というシステムも存在します。
買い取りの場合、自分が作ったものであるのもかかわらず権利は自分にないので、その後著作物を使って収益を得たとしても、1円も自分には入ってきません。
基本的なことですが、自分が書いたイラストやマンガは、アップロード先のシステム利用規約を最後まできちんと呼んでからアップロードするようにしないとダメです。
LINEをスタンプは良心的
LINEスタンプの場合はそういった意味では良心的といえるでしょう。
もうLINEスタンプのクリエイターは飽和状態なので、それ1本でやっていくのは競争が激しいでしょう。
ただ、個人や団体がブランディングをするのにキャラクターを作ってスタンプを配信するというのはまだまだ使える方法です。
そんなわけで、本日のまとめです。
・LINEスタンプはイラストを流用する時に自由度高いけど、新しいシステムを使う場合はちゃんと規約呼んでから使うこと!
以上、LINEスタンプのイラストの著作権について調べてみたでした!