アフリカを舞台に繰り広げられるネイチャー・モンスターアクション。
モンスター系の映画だが、割と序盤から姿をはっきり表していて怪しさは無い。
まだまだ未知の生物がいるであろう大自然の中では実際に起こりうる話だ。
普段は無害だけど実はめっちゃ怖い(怖く変化する)モンスター物というと、筆者は「フライング・キラー」を思い出してしまう。
今作は、いわゆるホラー映画ではなくモンスター映画として制作されているため、映像やアクションのリアリティは高い。
描く対象の動物が百獣の王ライオンであることから、ド直球のストライクを狙っていった感に監督の勇気が見える。
意外性がないものをどうやって恐ろしく描くか、というのは腕が試されるからだ。
レビュー ※ネタバレ有り
アフリカに行く飛行機から始まる。
医師である父親、長女、次女の3人を中心に描かれ、娘たちはいかにも聡明そうなのが序盤のやり取りでわかる。
長女の服がジュラシック・パークのプリントなのが、スピルバーグ氏や同映画へのリスペクトをゴリゴリと感じる。
思えば、ジュラシック・パークも、モンスター映画の題材としては恐竜はド直球であり捻りはないので、よっぽどの自信がないと作る勇気が出ないのではないかと思う。さすが天才スピルバーグである。
今作のオスライオンのサイズはジュラシック・パークの恐竜ばりにかなり大きく描かれていて、車の半分くらいのサイズ感。
車ごと襲ってきて車を横転させたり、ヒットアンドアウェイで各所から揺さぶってきたりと、パワーもスピードも半端じゃない。
ライオンがタフガイ
作中、父親の友人が苦肉の策でガソリンをぶちまけ、自爆行為でライオンもろとも火を放つも、ライオンはちょっと焦げただけ。ライオンタフガイすぎる。
また、麻酔銃も大した効果がなく、このシーンだけはなにか体質が変異しているとしか思えない。
医師である父親は終始ライオンに見つからぬよう行動をするが、最後は覚悟を決めてナイフ1本でライオンと対峙する。
単純なモンスターアクションものと思わせて、辛い体験をして心が離れかけていた家族の修復というテーマもあり。
ラスト10分の生身の格闘は超絶にアツいので必見。
また、よくあるアクション映画のような最後は自力でなんとか勝利するのではなく、作戦勝ちで終わるというのも非常にリアルだ。
レビュー点数
※満点 5点
総合 2.5点