伊藤 洋志さんとphaさんの共著である『フルサトをつくる: 帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方』を読み終えました。
結論からいうと、物凄く役に立つ本でした。
都会とフルサトという複数の拠点を作って、生活に行き詰った時はそれぞれの場所で活動出来るよう、家や仕事やコミュニティをどうやって作ったらいいかという点で勉強になりました。
具体的にいくつかピックアップしてみたので、参考になればと思います。
生活探求が仕事になる
「生活を探求することがそのまま仕事になる、というのが21世紀」というワードがありまして、これにはかなり共感出来ました。
最近は特に移住ブロガーさんなんかはそうですよね。今いる場所に疲弊したりして、自分なりにいろんな開拓をしていった結果、それが仕事になってしまったパターン。
田舎では生活環境そのものが過酷だったりもしますし、単純に田舎の生活を便利にするというのも有りかなと。
僕もうつ病を持つ人の生活スタイルについて、何か新しい開拓をしていきたいと強く思いました。
人類の課題にチャレンジできている仕事は長続きする
そもそも消える仕事っていうのは、少なくともその場所には必要が無かったりします。
みんながどうしたら充足感を得られるか、という課題についてずっと考え続けることは、これから新しく仕事を始めようと思う人にとってかなり大事かもしれません。
時間がかかっても、人類の課題を着々とこなしていくと少しずつ広がっていくんじゃないかと感じました。
物々交換によって合法化してしまう
田舎では車に乗れないお年寄りや、外に出ることが億劫な人が多いので、ちょっと車に乗せてあげようという仕事を考える。
タクシーとしてお金をもらおうとすると二種免許が必要なので、野菜なんかを交換してもらう替わりに移動手段を提供するという方法です。
全ての業種に適用は出来ないかもしれませんが、物々交換という発想をまず最初に持っていると新しいことが考えられるんじゃないかなあと。斬新で良かったです。
お金に一度変換するとその分の金銭的、時間的なロスもありますから、それがもったいない場合に物々交換は有効だと思います。
田舎では子供の体幹トレーニングがしやすい
子供の時に体幹を鍛えておくと大人になってからも健康でいられる可能性が高いそうです。
中でも面白かったのが、「密集した竹やぶに登って、竹から竹に飛び移る遊びをすると身体感覚が鍛えられる」という部分でした。
これは竹やぶが無いと出来ませんし、田舎ならではのトレーニングですよね。僕の田舎にも普通に入れる竹やぶが沢山ありましたが、全く思いつきませんでした。
忍者幼稚園、是非作って欲しいです。
意外と仕事はその辺にある
フルサトっていわれても、田舎には仕事なんかないよ~って思っていました。
でももっと山奥だったり限界集落だったりするとまた話しは違って、僕達が何事もなく出来るようなことを必要としている人もいる。
具体的には、掃除とか、インターネットでの注文とか。お年寄りに出来ない事は沢山あるそうです。
それらは仕事の取っ掛かりになるので、既に都会で得た知識や経験を活かしやすいんじゃないかと思います。
phaさんのゆるい語り口が面白い
田舎にいるとちょっと尖った文化が欲しくなるという点。
「移住したいと考える人を増やそうと思ったら、観光地だけでなくてもう少し日常的に必要な文化的要素が欲しい」
例えば、ヴィレッジヴァンガード(のようなもの)なんかがあったらいいのかなとか思ってしまいました。
確かに僕の住んでいた千葉県もそうでしたが、地方ではイオンに行けば普通に生活するには困らないんですけど飽きやすいんですよね。
マニアックなものとか、そのジャンルについて深く進もうとしても何も無かったりします。
都市にはマニアックなジャンルが掘り尽くされてそれぞれ楽しめる場所もあるけど、地方にはあんまり無いからそういうの作ったらいいんじゃない?というメッセージを感じました。
プチ移住や二拠点生活、ノマドワーカーなんかの人にも何かのきっかけになる本で、そういうスタイルを近い将来に据えている人は絶対に読んだ方がいいです。
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