僕はコーヒーが好きで毎週コーヒーを入れるイベントをやっている。
ただコーヒーが好きというだけで、コーヒーという文化 国際コーヒー文化会議からの報告という本を手にとってしまった。
コーヒー文化にそこまで興味はなかったのだけれど、読んだら不思議と面白く、最初の数ページでハマってしまった。
UCCコーヒーが関わっていて読み応えがあり、コーヒーや器の文化に興味がある人には是非読んでもらいたい。
内容はタイトルそのままで、国際的に開かれたコーヒー文化の議事録のような感じ。コーヒー産出国出身の外国人スピーカーも登場したりしてなかなか興味深い。
世界発の缶コーヒーは日本で作られた
世界で最初の缶コーヒーはUCC上島珈琲によって発売された。
実は僕は『UCC』はずっと海外メーカーだと思っていた。
そして上島珈琲というカフェは、割とオシャレな店構えの割にヘンな商品開発ばっかりしてるイメージがあったので、この2つが一緒だったとは、なんだか不思議な気持ちだ。
1969年にはじめて缶コーヒーが発売されたわけだけど、案外最近じゃん、という印象を受けた。
それだけみんな缶コーヒーが大好きってことだし、実際に僕も毎日飲んでいた。
最近は、いわゆる粉から挽くレギュラーコーヒーを自分で淹れるようになったのであまり飲まなくなったけど、それでも今までの人生で缶コーヒーに最低10万円以上は使ってきた。
今考えれば缶コーヒーに10万円も使ってるというとバカらしくなる。まあ若い頃なんてそんなもんだと思う。
それに当時はタンブラーにコーヒー入れて持ち運ぶというオシャレな文化も無かった。
愛用のワンダモーニングショット
僕の缶コーヒーのお気に入りはワンダモーニングショットという赤い缶のやつ。
10年以上これを愛飲していた。現行版でもデザインはあまり変わらない状態で売られている。
昔はこのワンダモーニングショットを「味にパンチがあって寝起きですぐ動ける」と、朝の目覚ましに重宝していた。
バンドマン時代、地方にツアーライブに行くことがあると、立ち寄ったサービスエリアなどで必ずコレを飲んでいたほどだ。
先日、人から貰ったので久しぶりに飲んでみたものの、それは甘すぎた。まとわりつくような甘ったるさがする。それにレギュラーコーヒーには無い香り。
僕はワンダモーニングショットが持つ、缶コーヒー特有のフレーバーが好きだったのだ。
甘さはともかく、今でもこのフレーバーにより、この缶コーヒーは僕好みの味付けになっていた。
レギュラーコーヒーに鼻や舌や胃が慣れてしまっても、たまに寒い日の深夜や早朝に飲む缶コーヒーはなにか特別な味わいがあるように思える。
缶コーヒーの元はコーヒー牛乳
牛乳瓶に入ったコーヒー牛乳が好きだ。
温泉が好きになると、どうしても風呂上がりにこれを飲みたくなってしまう。
僕は温泉に入る時、必ず300円程度の小銭を持っていくようになった。
それまではロッカーなどに貴重品を全ていれてしまい、浴衣になったら小銭など1円も持たないので、風呂上がりの一番気持ちいい時間にコーヒー牛乳が飲めないということになる。
温泉と聞いて気が緩んでいるので、大きなお金を風呂の行き来で持ち歩くのは怖いが、300円なら万が一失ってもいい。
そのくらい風呂上がりのコーヒー牛乳の染み渡るような喉越しには人を惹きつける魔力がある。
缶コーヒーはコーヒー牛乳から生まれたといってもいい。
昔の日本人はコーヒーを飲む文化はなかった。特に子供は飲んだらダメという風潮があった。そうなると大人になっても馴染みの薄い飲み物になるだろう。
ところがコーヒー牛乳は大人から子供まで割と昔から飲まれていたようで、このあたりから日本人はコーヒーの苦い味に抵抗がなくなってきたのだ。
で、このコーヒー牛乳をどうにかして安全に運搬しようということで開発されたのが缶コーヒーというわけで、実は缶コーヒーとコーヒー牛乳は親子のような関係なのである。
だからといってコーヒー牛乳が無くなることはない。やっぱり缶よりも瓶のほうが味がウマいからだ。
風呂上がりのコーヒー牛乳がなくなったら温泉や銭湯の魅力は半減だ。
カフェインは頭脳の情報処理機能を向上する
カフェインの魅力はなんといっても頭が冴えることだろう。
20代の頃に比べてあまりお酒を飲まなくなったのは、常に思考をスッキリさせておきたいという意味合いもある。
数年前にタバコも辞めたので、日中から楽しめる嗜好品がコーヒーだけになった。
僕の場合は多分プラシーボ的に「やる気スイッチ」が入るけど、やっぱりカフェインそのものに身体的、神経的な作用は少なからずある。
実際に、カフェインを摂取すると頭の情報処理機能が上がる。美味しいコーヒーが入った時など、ブログを書いていると途方もなく書いてしまうことがある。
カフェインには弱いけど中毒性は間違いなくあるので、大体1日1〜2杯に抑えておくとより効果が見込める。これはサプリメントにも共通していて、身体に耐性がつくからだ。
以前、コーヒーを1日に4杯くらい飲んでいたことがあったが、これではやっぱり胃も壊してしまうし、逆にヘンにぼーっとしてしまった。
コーヒーの起源とか、その国ならではの文化とか、あと入れる器とかに凝りだすと途方もないけど、1杯をウマく飲むというのはコストパフォーマンス的にいいと思っている。
なので、コーヒーの知識を深めるともっと楽しめる気がする。
コーヒーの海外での文化や歴史を更に知りたいという人には、この本はオススメだ。