※2017年1月23日 追記しました。
なにかと話題のAppleから発売のair pods。
超賢いワイヤレスイヤホンといわれるほど新機能が満載らしいが、僕はまだ実物は一度も見たことがない。
なお、僕はこの記事を書くにあたり、画像を一度見ただけで、雑誌やネットで情報を探ったりはしていない。
ここからは120%僕の想像なので、このレビューは絶対に参考にしないで欲しい。
ヘドバンOK。完璧な装着感
まずビックリしたのはその軽さだ。
本当に装着しているのか?といった具合。まさに空気である。
元カリスマバンドマンの筆者がメタルを聴きながら軽くヘドバンしたくらいではビクともしなかった。
ちなみに今回レビューに使った音楽はメタリカのbatteryだった。
この曲でのヘドバンに耐えられるのはなかなかのイヤホンだろう。
独自の粘着機構
なぜヘドバンしても簡単には落ちないのかというと、Appleのその驚くべき新技術にある。
その新技術とは、イヤーピースへの独自の粘着機構だ。
air podsはイヤーピースのベタつきで耳への装着感を増している。かといって装着後にベタつく感じは皆無だ。
日を替えて3度ほど連続して装着したが、その粘着性が落ちることはなかった。
もし、粘着性が落ちてきた場合のメンテナンスは40度前後のお湯で洗うだけなので、家庭でも容易にメンテナンス可能だ。
ちなみに、Apple公式サポートページでは、500回の装着回数を目安にしている。
近年のスマホの買い替えスパンを考えると十分な耐用性だろう。
ただし、汚れには弱く、ホコリが多い場所に置いておくと一気に粘着力が弱まる。
この場合のイヤーピース交換はAppleストアのみでの交換となり、7,800円もかかってしまう。
したがって、使用には十分に注意する必要があるだろう。
音の解像度はまずまず
音は思っていたよりもクリア。解像度はぼちぼち。
まあ、この手のイヤホンに解像度を求めるユーザーは少ないので、及第点といえるだろう。
解像度を求めるのであれば、シュアーの有線イヤホンでも使えばいいからだ。
音のバランスだが、以前からリリースされていたAppleの有線モデルと似ていて、ローはあまりでないが、中音域を確保しているため、ボーカルの抜けは良い。
3D空間を再現するという『3dVR音響』の新機能に関しては、正直期待ハズレで、空間の広がりはほとんど感じることはできなかった。
再生音源にもよるのだろうが、Appleには今後の開発を期待したい。
自動追跡ペアリングシステム内蔵
今回で筆者が一番ビックリしたのがこの機能だ。
実はレビュー中に一度、車内で片方のイヤホンを落としてしまったことがあった。
しかし、すぐさま片方のイヤホンが、もう片方のイヤホンを探し出してくれた。
このair podsにはデフォルトでGPSが内蔵されているため、対になるイヤホンの自動追跡が可能となっている。搭載されたGPSの精度は0.1mm単位というから驚きだ。
イヤホンの底面をよく見ると、小さなエアーダクトが付いていて、ジェット式にエアーを吹き出し、自動追尾してくれる。
フローリングの床ならば、ドローンさながらに瞬時に片方のイヤホンの場所まで移動してくれた。
国内海外問わず、数々のイヤホンレビューをしてきた筆者だが、いまだこうした自動追尾システムを搭載したイヤホンを見たことがない。
ちなみに、あらかじめiPhone側に登録しておいた声紋認証機能をオンにすれば、持ち主の声に反応して追尾もしてくれる。実用範囲は約100mなので、十分に使えるだろう。
こうしたシステムを実装してしまう思い切りの良さは、さすが最先端テクノロジーを惜しげもなく使うAppleといった具合だ。
新しいものが出るたびに「こんな機能誰が使うの?」と言われてきたApple。
iPhone 3Gが発表されたときもそうだった。しかし、今日では国内のスマホのほとんどのシェアを奪っている。
おそらく、5年後のイヤホンには全てにこのような自動追尾ペアリングシステムが搭載されていることだろう。
air pods、値段は適切か?
air podsのお値段は23,800円と、ワイヤレスイヤホンとしては高いというのが最初の印象だった。
音質だけ切りとれば納得できるレベルではないからだ。
ちなみに、同じ金額を出せばシュアーやオーディオテクニカの中級モデル以上が買えてしまう。
しかし、イヤホンをすぐに落としてしまったり、失くしてしまうといった人にはair podsは絶対にオススメしたいイヤホンである。
頭を振っても落ちない粘着力と、GPSによる自動追尾ペアリングシステムがあれば、イヤホンを失くすことはほぼなくなるだろう。
この絶対的な安心感を一度でいいから体験してほしい。
※2017年1月23日 追記しました。
air podsを約1ヶ月間使ってみたので、以下追記レビュー。
まず今回初めての採用となったイヤーピースの粘着機構だが、筆者が福岡出張の際、約1週間連続で使用した結果からいうと、1週間は余裕で持つということだ。
耳のサイズや汚れ具合にもよるだろうとは思うが、特に困ったということはなかった。
週に1度のみ軽く水洗いをした感じでは、新品から使い心地は変化していない。なお、筆者は出張中に一度だけせっけんの泡で洗い流しているが、こちらも特に問題は無し。
前回はオフィスや自宅でのリスニング環境が主だったのが、旅行、出張というノイジーな環境に多く行ったことで、air podsの新たな特性がわかった。
それは、人混みでの試聴がしやすいということ。air podsにノイズキャンセル機能はないのだが、音響特性がそのようにチューニングされているようで、新幹線の車内での会話程度なら気にならないレベルで音楽を楽しむことができた。
以前、筆者が使っていたSHUREのイヤホンには無い特色で、音質はやや犠牲になるものの、普段使いには良いイヤホンだといえるだろう。音楽をそこまで追求しない、また、Youtubeでの試聴が主なリスナー層に最適化されているものと思われる。
1ヶ月使ってみた結果は、正直、筆者好みのイヤホンではなかった。無線で音質が犠牲になっていることもあるが、長時間聴いているとやはり耳の形状をそれなりに選ぶ。
かといって、いわゆるカスタムイヤホンのように後からイヤーピースを変更することもできない。そのあたりはやはりApple製の理念が強く、オールインワンの思想の元に制作されたモデルといえる。
箱出しで使うにはもってこいのイヤホンも、やはりオーディオ好きが対象となると場所を選ぶのではないだろうか。
しかしながら、BluetoothとGPSによる自動追尾ペアリングシステムはやはり捨てがたい。
一度出張先で片耳だけ見つからなくなることがあったが、スマホからの操作のみですぐさま追尾をしてくれた。それもたったの3タップで自動追尾が開始し、約30秒で両耳がペアリングしたのには驚きを隠せない。
筆者のように寝ながら音楽を聴くタイプの人間ならわかるだろうが、滞在中のホテルのソファやベッドの下にはこういった小物を落としがちなので、本当にこの機能があってよかったと思う。
去年最後の衝撃のair podsリリースから、Apple社を追いかけるように次々とこの市場への参入が予想されるだろうが、Apple社と深いつながりのあるBeatsから高級機のリリースも考えられる。社外からの対抗馬となるとやはりSONYあたりだろうか。
いずれにしても、2017年は無線イヤホン元年と呼べる年になりそうだ。今後の進化を楽しみにしようと思う。
妄想を書いてたら現実のほうが近づいてきた
以下、1/26に追記。
こちらニュースをご覧いただきたい。
「AirPodsを探す」がiOS 10.3ベータ版に追加。落としたときの捜索・発見が容易に
筆者はこの記事で妄想のみをひたすら書いてきたわけだが、まさか現実のほうが妄想に近づいてくるという謎の現象が起きた。
自走式ではないものの、iOSからAirPodsを探すことができるようになるとのこと。iOS 10.3からのリリースになるそうだ。Apple社の素晴らしい技術に乾杯。
これからも妄想力をどんどん高めていこうと思う。